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ぶどうの森・本店

「レ・トネルぶどうの木」は金沢に縁のある世界的な建築家 坂 茂氏の設計。環境にもやさしい紙の温室は、人でつながれた「文化財」

2021.06.08

この度、ミシュランガイド北陸特別版2021で紹介された「レ・トネル ぶどうの木」。
評価の対象は、料理だけでなく、その美しい建築にもありました。
世界的な建築家 坂 茂(バン シゲル)氏が設計してくださった温室をレストランに利用させていただいているのです。

坂氏は「建築界のノーベル賞」とも評される「プリツカー賞」受賞者です。
環境にもやさしい紙(紙管)を利用した建築で、住宅や教会、美術館などさまざまな分野を手掛けるほか、災害支援活動にも積極的であることが知られています。

建築中のレ・トネルで現場確認をする坂氏

そんな氏が、ぶどうの木に手を貸してくださることになったのは、金沢の地への愛着とぶどうの木の敷地から望む農村の原風景に心を動かされたからでした。

お母さまの出生地である金沢は、幼少期から氏もよく来訪されており、今でも親類がある縁の地。
シェフの友人のつながりから、ぶどうの木の存在を知ることになりますが、
2018年11月初めてこの地を訪れて、農村にたたずむ紙管の温室の構想を得ます。

かつては美しい農村地帯だった岩出地区にも、耕作放棄地や空き家が目立ち始めており、
里をなんとか守りたいと考えるぶどうの木の姿勢にも共感くださったのかもしれません。

この後、ラシェットプロジェクトを提案してくださった「アースケイプ」を率いる団塚 栄喜(だんづかえいき)氏をご紹介くださったのも、坂氏でした。

建築中のレ・トネル。紙管の骨組が完成したところです。
椅子やテーブル、ワゴンなども紙管製。坂氏の設計で用意していただきました。

ちなみに、「レ・トネル」の名前は一橋大学のフィリップ教授から頂きました。
以前、金沢大学で教鞭を執られていたときにご贔屓にしてくださった方です。

レ・トネルとは、ヨーロッパによくあるバラなどの植物に覆われた半樽型の園庭のこと。
まさにこの温室のフォームそのもので、陽光の中で、花々(時に葡萄などの果物も)美しく咲き乱れるイメージです。語源がワイン樽「トノー」であることも、ぶどうの木にふさわしいと言ってくれました。

そうして、生まれた「レ・トネル ぶどうの木」。
さまざまな方とのつながりとご支援から誕生した「文化財」ともいえるこの紙管の温室を、私たちはレストランとして皆さまと共有しました。
ぶどうの木農園やぶどう園、地域の生産者とのつながりをバックボーンにするぶどうの木だからこそ、人・自然・農のつながりを「食」を通して体感いただくことが使命だと考えているからです。

金沢をはじめとするこの地域、そして社会のみなさまと一緒に、豊かな未来を創造していきたいと願って。


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