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ぶどうの森・本店

[まもなく閉店]ぶどう直売所、今年もご愛顧ありがとうございました~2023 年のトピックと来年への抱負~

2023.10.01

ぶどうの森・本店の敷地には約2ヘクタールのぶどう棚が広がっています。
4月、茶色の枝に黄緑色の小さな芽が見え始めると、5月にはいっせいに葉を広げ、敷地内は緑の天井で覆われます。
6月は小さな花をつけ実を結び、7月以降はその小さな実が少しずつ膨らみ日ごとに色づいてゆく姿を目の当たりにできるのは、スタッフだからこそ享受できる幸せだと感じます。
そして収穫シーズン。7月下旬の走りから盛り、名残を経て、9月末の今実はきれいに収穫されて、見渡す棚はそろそろ冬支度を迎えるばかりと紅葉しはじめた葉たちが、次の季節を催促しているようです。

おかげさまで今シーズンのぶどう直売所も、まもなくの閉店を迎えることになりました。みなさまには、今年もご愛顧いただき本当にありがとうございました。
今回は、ぶどうの森の「ぶどう園もと」スタッフを取材して聞いた2023年のトピックをご紹介します。

〇2023年の営業期間:7月17日~10月7日頃まで

スタート日としては例年通りでしたが、店じまいは過去指折りの早さです。
以前は10月中旬すぎまで店を開いておりましたが、気候変動の影響からか年々果実の収穫時期が早まり、それとともに直売所の閉店時期も早まっています。
その分、ピーク期間に店頭に並ぶ品種は豊富で、お盆前後には15種類前後の品種が並びました。

オープンしたころの直売所。早生品種のデラウェアが例年通りトップバッターとして活躍しました。

〇2023年の出来栄え

ヒト科には非情であった今夏の暑さも、ぶどうの森のぶどうには悪くなかったようで、非常に高品質なぶどうに恵まれました。ただしそれは気候の恩恵だけでなく、確かな栽培技術によるものだと、スタッフたちは自信をもって言います。

8月10日の創業記念日に特別価格でご用意した「ぶどうの盛り合わせ」。さまざまな種類のぶどうを少しずつ堪能いただきました。

★高いクオリティを放った「デラウエア」

デラウエアはアメリカ原産のブドウ品種。強い甘さとほどよい酸味が、紫色の小さな粒にギュッと凝縮されています。
「タネなしぶどう」として一世を風靡したぶどう界の革命児、私たちにもお馴染みの品種です。

しかし、最初からタネがないわけではありません。適正な時期に「ジベレリン」というホルモン剤に浸すことでタネの生成を抑制しながら成長を促進するのです。
ただ、その時期の見極めには技術とセンスが求められるとのこと。開花の約2週間前にジベレリン処理を施すのが最適だといいます。

今年はその見極めが非常に冴えて、類まれな品質のデラウェアを産出しました。
それは「もとぶどう園」の若きエース山崎氏の栽培センスの高さとぶどうへの愛情のたまもの。
日々ぶどうと向き合い、彼らの声なき声に耳を傾け続けたからこその読みだったとぶどう園のスタッフは彼へ惜しみない賞賛をおくります。

お馴染みの品種ではありますが、栽培技術を要求する品種なだけに市場には品質が優れないものも見られます。
それと比較すると、ぶどうの森のデラウエアは全く別物。これほど高品質なデラウエアを作れるという誇りと自信をもってぶどう直売所ではお客様へおすすめすることができました。それを反映するように今年はデラウェアのリピーターさんが大変多かったそうです。

日本では、栽培が比較的容易で高単価なシャインマスカットの作付け広がっているそうです。
しかし、「デラウエアや巨峰のような量産品と思われがちな品種にも、技術と情熱をもって愚直で真摯に向き合うことで、ここまで完成度を高められることが私たちの強みだと思う」そうぶどう園のスタッフは話していました。

ぶどうの森・本店の敷地内のハウスで栽培されるデラウェア

〇2023年、店頭を彩った品種

今年も40種類以上の品種を直売所でお届けしてきました。下がその品種と直売所に今年初めて登場した日付です。
品種により、販売が長期に渡ったものから数日間のご用意だったものなどさまざまでしたが、その折々の直売所の表情を作ってくれました。

  • 1 デラウェア:7月17日
  • 2 アーリースチューベン:7月20日
  • 3 シャインマスカット:7月21日
  • 4 安芸クイーン:7月23日
  • 5 ニューヨークマスカット:7月25日  
  • 6 ブラックビート:7月27日
  • 7 クイーンセブン:7月28日
  • 8 ノースレッド:7月28日
  • 9 藤稔(ふじみのり):7月30日  
  • 10 マスカット甲府:8月1日  
  • 11 リザマート:8月2日
  • 12 ヒムロッドシードレス:8月3日
  • 13 紅バラード:8月5日  
  • 14 シナノスマイル:8月6日
  • 15 ルビーロマン:8月6日
  • 16 マスカ・サーティーン:8月6日  
  • 17 紅伊豆:8月7日  
  • 18 ピオーネ:8月7日  
  • 19 巨峰:8月8日  
  • 20 ゴールドフィンガー:8月9日  
  • 21 コウノスケ:8月12日
  • 22 ヴェリニーナビアンコ:8月12日  
  • 23 ゴルビー:8月13日
  • 24 クイーンニーナ:8月13日  
  • 25 ヌーベルローズ:8月14日
  • 26 スチューベン:8月15日  
  • 27 スカーレット:8月15日  
  • 28 マイハート:8月18日  
  • 29 サニードルチェ:8月19日  
  • 30 BKシードレス 8月20日  
  • 31 銀嶺(ぎんれい):8月21日  
  • 32 マスカットノワール:8月23日
  • 33 オルフェ:8月26日  
  • 34 涼香(すずか):8月27日  
  • 35 黄玉(おうぎょく):8月27日  
  • 36 タノレッド:8月28日
  • 37 黒いバラード:9月1日  
  • 38 雄宝:9月1日  
  • 39 コトピー:9月1日  
  • 40 バイオレットキング:9月3日  
  • 41 シトロンネル:9月9日  
  • 42 赤嶺(せきれい):9月10日  
  • 43 翠峰(すいほう):9月23日  
ぶどうに同封するぶどうのリーフレット。直売所のスタッフが発売日やメモ書き込みながら期間中大切に使っていました。

〇来年へ向けて

ぶどう園もとでは、常に新しい品種にチャレンジし続けています。
苗木を植えてから、初めて実をつけるまで約3年後。商品としてお出しする品質になるまで、さらに2年ほどかかります。
今年も初めて実を結んだ品種がありましたが、直売所でご案内するまでにはまだ少し早いと思うものがいくつかありました。来年はそれらがちゃんと直売所に並び皆様にお召し上がりいただけるように育てたい、農園のスタッフはそんな来年への意気込みを聞かせてくれました。

こぼれ話:「富士の夢(ふじのゆめ)」は今年、直売所デビューを見送った新品種。生でお召し上がりいただくにはもう少し早い!という判断でしたが、加工品となれば話は別。他の品種と一緒にジャムの原材料として活躍してもらいました。(詳細はこちらの記事で)

今年の限定品「ぶどう畑のジャム 2023ブレンド」の製造工程。富士の夢を含む5つの品種を使用しました。

最後に(企画担当者からの感想)

「宣伝していないのに、なぜこんなにたくさんのお客さまが来てくださるんだろう」。毎年そう驚嘆する直売所ですが、今年も例外ではありませんでした。今日は何の品種が並んでるかな?と毎朝店頭を覗きに行くのですが、あまりにお客様が多くて確認作業が難しく、挫折してデスクに戻った日も少なくありません。
決して安価だとは言えないそのぶどうを次々とお買い求めいただけるのは、やはりお客様がその価格に見合うだけの価値があると納得くださっているからだと改めて感じました。
特に、今年はデラウエアや巨峰など、やや安価だとみられがちなぶどう品種にこそ、力を発揮してくれたことに彼らのプライドを学ばせていただきました。来年の品質やラインナップにますます期待が高まります。


最後になりましたが、期間中のご愛顧に重ねてお礼申し上げます。
来年の営業再開をお楽しみにお待ちくださいませ。
(とはいえ、7日ごろまで営業しておりますので、近くにお越しの際にはどうぞお立ち寄りください)

まもなく閉店をむかえるぶどう直売所。スタッフの手作りリースもご用意しています。

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