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ぶどうの森・本店

植物の香りを抽出、新事業への挑戦を通して、農産物の可能性を追求する。[グランドメゾン2023・40周年特別号-3コラム]

2023.02.21

はじまりは、バジルでした。

薹(とう)が立って苦みが強くなったぶどうの森農園のバジルを活用できないかというテーマに、「レストランぶどうの森 レ・トネル」のソムリエが臨んだ答えが「蒸留」でした。

葉はもちろん通常は捨てられる根や茎も丁寧にちぎりとり、蒸気をくぐらせて得られた蒸留水は、何とも言えないフレッシュ感と心地よい苦みが凝縮!
そこからホップを連想したソムリエは、その蒸留水とりんご果汁をブレンドして「バジルビール(ノンアルコール)」のレシピを作ります。

それをレ・トネルで提供しはじめたところ、これまでにない「ノンアルコール・ペアリング」として世界のフーディたちの評価を得たのでした。

※ペアリングとは飲み物と料理の組み合わせ。店側が料理にあわせてドリンクを一緒に提供する食事のスタイルです。これまではワインなどのお酒が中心でしたが、近年ではノンアルコールのペアリングが注目されています。

それをきっかけにして、今年新たに挑戦しようとしているのが「香り」の研究です。

蒸留によって得られる植物の香りには、素材そのものを直接口にしたときとはまったく異なる価値(風味)があることに、新たな可能性を見たからです。
技術を通して農産物の活用の幅を広げ、新しい食文化を提案していきたいと考えています。

蒸留には、ぶどうの森・本店周辺で栽培するハーブを活用します。画像は本店内のローズマリー。

背景にはもう一つ大切なテーマがあります。

それは環境保全と地域経済への貢献です。

ぶどうの森・本店がある岩出町では、例にもれず高齢化がすすみ、耕作放棄地も増え続けていますが、その解決のヒントを探っていこうとしています。

それは原料となる植物をここで栽培し、その香りを抽出し、商品に変えていくこと。
この事業の成長を通して、この地に命を吹き込もうというのです。

ラシェット(ぶどうの森が運営する丸いお皿の農園です。詳細はこちらから)から、用水を挟んで東の山へ伸びるのは、地元で「ヤチ」と呼ばれるエリア。

以前は棚田だったヤチエリア。背丈を超える雑草が生い茂り猪も現れています。

約10年前は豊かな棚田だったこの地は草が生い茂り、猪たちが自由に徘徊するようになっていますが、今年はここを整備して約1,200株のバラやハーブを植える予定です。

数年後には、花が咲き誇り、得られた香りで商品が作られるでしょう。訪問者はその価値にふれ、感動と新しい賑わいが生まれるでしょう。
農産物の可能性を追求し、美味しさに変えていく。自然と農と人の新しいつながりを目指して、また1歩踏み出します。

ヤチエリアに定植予定のバラの苗木。ハウスの中で春を待ちます。

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