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ぶどうの森・本店
早朝のヤチに咲く「幻の薔薇畑」と、MORI NO NIWAの初夏のしごと
2026.06.04
初夏の爽やかな風が心地よく吹き抜ける季節となりました。
5月末から6月のはじめにかけて、お皿の農園「ラシェット」から東の山へと向かってのびる「ヤチ」と呼ばれるエリアは、一年のうちで最も美しく、そして手仕事に追われる特別な時間を迎えていました。
今回は、ちょうど名残の時期を迎えつつあるダマスクローズの収穫と、その花びらが紡ぐMORI NO NIWAのものづくりの舞台裏を少しだけご紹介いたします。

■ 耕作放棄地から、約1,800株が香る薔薇の畑へ
かつて美しい棚田だったこの場所は、時代の流れとともに一度は耕作放棄地となってしまった土地でした。そこを私たちが再び開墾し、命を吹き込んで大切に育ててきたのが、現在約1,800株を数えるダマスクローズの畑です。
今年も無事に美しい花が開き、ぶどうの森の各部署から集まったスタッフ有志の手によって、無事に多くの花を収穫することができました。

先日、私たちのこの取り組みとものづくりの視察のために、ブルガリア共和国の特命全権大使であるマリエタ・アラバジエヴァ大使がわざわざ足を運んでくださいました。薔薇の本場であるブルガリアの大使に、この地の薔薇と私たちの循環の取り組みを見ていただけたことは、スタッフ一同にとっても大きな励みとなっています。
(※大使ご来訪の詳しい様子は、ぜひこちらの記事もご覧ください。)
■ 「いつ来ても咲いていない」――幻の薔薇畑のひみつ
ヤチの薔薇は観賞用ではなく、香りを集める「蒸留用」として栽培しています。そのため、薔薇が最も豊かに、芳醇に香る瞬間に収穫するのですが、それはつぼみが静かに開き始める「明け方」なのです。
そのため、この時期の私たちはまさに「早起き月間」。朝もやがまだ残る早朝から畑へ出かけ、開き始めたばかりの薔薇を、ひとつずつ手作業で丁寧に摘みとっていきます。

日中にお越しくださるお客様やご近所の方からは、よく「ここはいつ来ても薔薇が咲いていないねぇ」とお声をかけていただくのですが、実はお見せする予定のない「幻の薔薇畑」なのでした。
■ 温室を満たす圧倒的な香りと、丁寧な手仕事
畑で摘み取ったばかりの薔薇は、すぐにMORI NO NIWAの温室「ハーブガーデン」へと集められます。
平台の上に広げられたたくさんの薔薇を前に、スタッフたちが手作業でひとつずつ花びらをちぎり、ガクを取り除いていきます。

私たちはこの地で、農薬を使わない栽培に挑戦しています。そのため、ときには花びらの間に小さな虫たちが隠れていることも。

しかし、こうして人の手でひとつずつ花びらをちぎっていく時間、温室の中は言葉にできないほどみずみずしく、濃厚な薔薇の香りでいっぱいに満たされます。この幸せな香りに包まれる時間は、この季節を駆け抜けたスタッフへの、自然からのご褒美のようにも感じられます。

■ 今年は、もぎたての薔薇だけで仕込む「特別なジン」に
こうして一連の手仕事で集められた美しい花びらは、休む間もなく、すぐに窓をはさんで接する蒸留所へと運ばれていきます。

そして今年、この摘み取ったばかりのみずみずしい薔薇たちは、「採れたての薔薇だけを使った特別なクラフトジン」へと生まれ変わる予定です。

里山の自然の恵みと、この土地の歴史、そして私たちの手仕事がぎゅっと詰まった、MORI NO NIWAならではの特別な一杯。2026年の薔薇たちがどのような形になってみなさまのもとへ届くのか、ぜひ楽しみに待っていてください。
初夏の爽やかな風とともに、みなさまのご来店を心よりお待ちしております。



