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ぶどうの森・本店

[レポート]本店周辺「ヤチ」エリアの薔薇を摘みはじめました

2025.05.21

ぶどうの森・本店の敷地にはさまざまな種類の薔薇があちこちに植えられています。薔薇をこよなく愛するガーデン&ファームのスタッフたちのおかげでここ数年はとくに目愛でる機会に恵まれていますが、今年はさらに見ごたえがあります。
しかしヤチエリアの薔薇は格別です。それは観賞用ではなく蒸留用、つまり咲いた瞬間に摘み取られることを想定している薔薇なのです。
その理由も含めて、今回は5月20日のヤチの薔薇摘みのご報告です。

ヤチの詳細はこちらの記事

まめや金澤萬久の横の花壇。5月下旬には大輪の薔薇が咲き乱れています。

ヤチエリアで栽培しているのは、ブルガリア産のダマスクローズと呼ばれる品種です。オイルが香水にも使われる一方、花びらは食用としても使用されることも多いそうです。
ぶどうの森では、ぶどうの森蒸留所を中心とする「MORI NO NIWA」で草花の香りを活用したものづくりを行おうとしていますが、このヤチの薔薇もそこで使われる素材のひとつ。蒸留して集めた香りを「森のジン」や開発中の炭酸水で活かしていく予定です。
ぶどうの森のクラフトジン「森のジン」はこちらから
MORI NO NIWAのご紹介はこちらの記事

ヤチエリアで栽培されるダマスクローズ。およそ1ヘクタールの耕作放棄地を開墾し、約2,000株の苗を定植しました。

そのためお客様が直接花を口にするわけではないのですが、できるだけやってみようということで除草剤や農薬を使わずに栽培するというチャレンジをしてみました!(とりあえず今年は)。
おかげでゾウムシなどの害虫に侵食されたつぼみが多く、本当に咲いてくれるのか、生育は順調なのか、いつから咲きだすのか…と私たちをヤキモキさせました。

1番花(?)の開花は多くの花を咲かせるという5月の満月(フラワームーン)明けでは?!という期待から5月13日の夜明けにはヤチの張り込みを行いました。
あいにく肩透かしにおわりましたが、きれいな夜明けを拝めたのでそれはそれでよし!

フラワームーンを迎えたあとの13日の日の出。ヤチの花は咲きませんでしたが、神々しい光が岩出町を染めるのをみることができました。

その後は、いい意味でやや緊張がほぐれます。
すると5月15日に無事に1輪開花!18日頃からは、ますます開花する花が増えてきて本日5月20日にはヤチだけで5kgを超える花を収穫したのでした。

首からぶら下げる花かご。摘んだ花を入れていきます。薔薇とはいえ、たまってくると肩が凝りました。

20日は4:20ごろには空が白ずみ、5時にはもう明るい状態。山から吹く風がヤチに立ち込めていたバラのかぐわしい香りを運んできてとても心地よかったです。

明け方、5:30ごろのヤチエリア。山からの心地よい風がバラの香りを運んできました。

何でも花というのは、つぼみが膨らみ花が開ききる直前が一番香りを放つそう。つまりそのタイミングを逃さず摘み取るミッションがくだされるわけですが、時間帯にすると夜明けから8:00頃がピークというところ。早起きを余儀なくされますが、昼間はもう暑くなってきているのでヒト科にとってもやさしい時間のように思われます。

そのような理由で、ヤチは咲き乱れる姿をお客様がご覧になることがない幻の薔薇畑なのです!と言いたいところですが、その時間は摘んだそばから花が開きだし、「このエリア、確か摘み取った気がするけど…」と夢うつつの状態に。

花が開ききる直前の花が最も香りは放つそう。多分このタイミングが摘み取りのベスト!

そして美しい花々に引き寄せられるのは人だけはありません。当然虫さんたちにも多く出会います。

さらに言うと、すくすく育った薔薇は殺人的な棘(トゲ)を備えていて、薄い手袋ならやすやすと通って肌を刺すことも少なくありません。しかし多少の痛みが伴ってこそのありがたみだと思うことにします。(単に摘み取るのが下手なだけだという疑惑あり)

ヤチから道をはさんで海側にあるお皿の農園ラシェットエリアの一部でも、香りが強いことで知られている「食香バラ」など複数の薔薇を栽培しています。ヤチエリアを終えた後、ここでも約0.6kgの薔薇を収穫しました。
ラシェットエリアの紹介はこちらから

ラシェットエリアで栽培されている薔薇。食香バラやカトルセゾンなど複数の品種。

こうして本日収穫された薔薇の花たちは、蒸留所で計量・袋詰めされた後いったん冷凍保管。明日以降、ぶどうの森蒸留所の蒸留機にかけてその香りを集められます。

ヤチで収穫した薔薇たちは蒸留所で計量して袋詰めします。おかげであたりはローズの香りでいっぱいに。

それを使った製品ができるのは、おそらく7月ごろ。今度は、その蒸留の過程もレポートできればと思っています。引き続きご注目いただければ嬉しいです。

ぶどうの森蒸留所の銅製の「アーノルド」。ドイツからやってきた常圧蒸留器で、力強い香りを集める能力が期待されています。

こぼれ話:1番花は大阪万博のブルガリア大統領へ

ぶどうの森に薔薇の苗を調達してくださった射水市「ジャパン・フラワー・コーポレーション」さんの計らいで大阪万博のブルガリアパビリオンのイベントに参加させていただきました。5月18日の「ブルガリア・ナショナルデー」にあわせて来日された大統領ご夫妻、在日ブルガリア大使がセレモニーに使用する薔薇として、ヤチで開花した1番~10番花が献上されたのでした。開花がギリギリ間に合ってよかったです。

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