BudoonoMori JOURNAL

カスタードクリーム、復刻。

英語の「カスタードクリーム」は、フランスでは「クレーム・パティシエール」と呼ばれます。意味は「お菓子屋さんのクリーム」、エクレールやタルトなど多くのお菓子づくりに欠かせません。その名の通り、店の味を決める大切なクリームです。
基本的には、卵・砂糖・牛乳・小麦粉に香料などを加えて作りますが、シンプルなだけに材料の選定が非常に重要。とりわけ、ぶどうの森ではコクと旨味を引き立てる、ふくよかなバニラの香りを大切にしたレシピでご用意してきました。 しかし、一大産地であるマダガスカルをサイクロンが襲った2017年、世界的なバニラショックが起こります。これまで重用してきた天然のバニラビーンズ鞘（さや）の入手が絶望的となり、多くのパティスリー同様ぶどうの森でもクレーム・パティシエールを変更することになりました。それからは、バニラエッセンスをほのかに使用することでこだわり卵「那須御養卵（なすごようらん）」の美味しさを引き立てながら軽やかさを楽しめる新しいレシピでご用意しています。
それから5年後の今年、ようやくバニラビーンズが市場で手に届く価格になって戻ってきたのを機に、クレーム・パティシエールのレシピを戻すことにしました。塩崎シェフ曰く「バニラ香だけならエッセンスでも手に入るが、それだけが主張せずに他の素材を引き立てるバランスがポイント。鞘とビーンズを煮だした香りは、エッセンスからはどうしても生まれない」。もちろん今のレシピのクレーム・パティシエールも自信をもって美味しい！と思っていますが、シェフが求める豊かさの質を改めて感じる機会でした。
店の味を決めるクリームは、店のポリシー・美学の現れでもあります。
折しも今年は創業40周年、進化し続けるぶどうの森であるためにも、初心を忘れずに、時代の中で最高だと信じる味わいを求めていきます。

おうちでアレンジ！
ぶどうビール

イタリアンカフェぶどうの森で提供している「ぶどうビール」。実は、「ぶどう畑のジュース」を使ったオリジナルビアカクテルです。甘くてコクのあるぶどうジュースはビールで割っても確かな存在感！ ぶどうの森では、軽やかなピルスナータイプのビールと合わせていますが、お好みのビールを選べば新しい美味しさに出会えます。 最近ではいろんなタイプのビールが簡単に手に入るようになりました。ぜひご自宅でもオリジナルビアカクテルをお楽しみください。