舟小屋で焙煎するコーヒーはなぜ美味しいのか・・・?
娘さんの営む「二三味コーヒー」を初めておたずねしたのが3年ほど前でしょうか
秋も深まる頃で、車は国道から急な坂道を転がりおちるように下りるのです。
夏には海水浴客が訪れる「木ノ浦海岸」だそうですが
なんでまたこんな寒々とした浜辺で店を・・・・
でも何と感性の良さか、都会の人の心にはいたく響くだろうな・・・・と
今回は寒々とした・・・なんてものではありません。
冬の荒波が運ぶ風雪が「何しに来た!」とばかりにお出迎えです
「名刺もっていないんで・・・」という事で彼女の名前もわからぬまま
「すみません、椅子がないんで・・・・」という事で立ち話です。
ストーブのおかげで結構温かではありますが、
窓の立てつけを見れば隙間からは外の雪も見えて
でも二三味さんはいっこうに気にはならないようで
柔らかな笑顔で質問に答えてくださいました。
「マルメゾン」と「ホリグチコーヒー」が私の師匠です、と言い切る彼女。
一番素敵なお話は
「コーヒーですから日本中どこで焙煎をしても同じものができると思うのですが、
ここでは結構、風が焼き具合に影響するんですよ。その日その日の風の強さが
煙突の煙の引きに影響して、焼が違ってくるのですよ。やはり均一な味を作らないと
お客様には申し訳ないので・・・・大変ですね」
都会のビルの間で焼くのとは違う苦労が、緊張感が二三味の味わいを生んでいるのですね。
二番目に素敵なお話は
「最初はここでお金を作って東京に出ようと夢を描いていたのですが、焙煎が終わって
午後からお店の前でお店番しながら、ぼーっとしていて夕方になって海に泳ぎに出て、
それから帰るんです、慣れてくるとこんな生活もいいかな・・・と思うようになってきて。」
世の中の女性の皆さん・・・いいえ、男性の皆さんも・・・
この言葉に共感してすぐに能登に移住を考えないで下さい。
能登の夏は素敵ですが、能登の冬は厳しいのですから。
二三味さんのようにはいきませんから!
この海と呼吸を合わせるような日々が馥郁たる香りを生み出しているのですね。
本 昌康





























